pulp fusion magnum
Pulp Fusion Magnum
 Harmless '01 

英・ハームレスの名物コンピレーション・シリーズ、パルプ・フュージョン。
このタイトルの元ネタはもちろんタランティーノの"Pulp Fiction"。そのタランティーノはパム・グリアを敬愛するあまり、彼女を主役に"Jackie Brown"を撮ったが、このシリーズ6作目となる『Magnum』のジャケットは、"Foxy Brown"の銃を構えるパム・グリアだ。

このパルプ・フュージョン・シリーズは、ブラックスプロイテーション・ムービーのサウンド・トラックを聴いているかのような錯覚を起こさせる。実際にサントラで使われていた曲は実はそれほど入っていないのだが、いかにもソレっぽい雰囲気を醸しているのが面白い。本作のサブ・タイトルに"Original 1970's Ghetto Jazz & Funk Classics"とあるように、ヒリヒリした緊張感やスリリングな疾走感、ゲットーの路地裏の饐えた臭いが漂うようなファンク/ジャズ・ファンク/レア・グル―ヴ・サウンドを楽しめる。ジャケットには毎回、ジム・ケリーやアイザック・ヘイズなどブラックスプロイ映画のスター達がデザインされている。
シリーズ全体でコンセプトやムードが統一されており、それに沿った選曲がなされているため、レア音源に拘らず有名曲や定番モノも結構多く選ばれているし、どの曲も間違いなくカッコいいので、これからファンクやレア・グルーヴを聴こうという人の入門編としても最適。もちろん、ファンク・マニアも楽しめる内容になっている。

ちなみに、おそらく7枚出ているこのシリーズ、そのうち3枚に『Fully Loaded』『Evolution』『Magnum』と、フィラデルフィアのファンク・バンド、マグナムに関係するタイトルが使われていることも興味深い。マグナムの唯一のアルバム『Fully Loaded』はファンク/レア・グルーヴの傑作だが、あの作品にも共通するようなムードを、このコンピは湛えているようにも思う。

そのマグナム「Evolution」からアルバムは幕を開ける。生々しいパーカッションと分厚いホーン・セクションが疾走する、ドス黒くウネるグルーヴィーなファンク・チューンで、コレは堪らないカッコよさ。マンドリル「Fencewalk」は掻き毟るようなワウ・ギターとホーン・セクションがイカスJB'sスタイルのジャズ・ファンク・パートと、軋むクラヴィネットとハードなギターが渦巻くファンク・ロックの2部構成。
ホーンとヴァイオリン・アレンジが冴えわたるスライ・ストーン「Crossword Puzzle」、ドス黒いグルーヴがウネりまくるファットバック・バンド「Goin' To See My Baby」、タイトなジャズ・ファンクのウッド・ブラス&スティール「Theme Song」、ジミー・マクグリフ「The Worm」はヒップな匂いを振り撒くソウル・ジャズ・ナンバー。

ラリー・ヤングズ・フュエル「Turn Off The Lights」は、ドープなベース・ラインにヤラレるコズミック・ジャズ・ファンク。ブギーなダンス・ファンク・チューンのプレジャー「Let's Dance」、アヴェレージ・ホワイト・バンドへの意趣返しとなるJBプロデュースのAABB「Pick Up The Pieces(One By One)」は、JB's「Hot Pants Road」っぽいジャズ・ファンクにスリリングなストリングス・アレンジをを誂えブラックスプロイ感増幅。
これもヒリヒリしたストリングスがブラックスプロイテーション風情を醸すジャズ・ファンク・チューンのジョニー・グリフィス・インク「Grand Central Shuttle」、ファンキーなオルガンが転がるクリフォード・コールター「VJC」、ラストのフレディー・ハバード「Povo」は螺旋状のベース・ラインがグルーヴィーなジャズ・ファンク・ナンバー。