super trick
Super Trick / N.C.C.U.
 United Artists '77 

N.C.C.U.とは、North Carolina Central University の略だそうで、これはそこの学生たち7人が結成したカレッジ・バンド。本作をプロデュースしたのは、この時この大学で教鞭を執っていたドナルド・バード。
このエピソードから思い出されるのは、やはりバードがハワード大学の教え子達をプロデュースしたバンド、ブラックバーズ。このN.C.C.U.も、ブラックバーズの諸作や、これもバードがプロデュースした3ピーシズの『Vibes Of Truth』なんかと共通するような、メロウで風通しのよいファンク・サウンドを聴かせてくれる。70年代後半の作品だけあってディスコ色も見受けられるが、品のよいセンスで纏め上げていて好印象。このあたりはバードのプロデュース・ワークはもちろん、アレンジャーのウェイド・マーカスの手腕も光る。
このバンドはこの1枚のみのリリースで終わってしまったが、ベースのアーロン・ミルズはこの後、80年代を代表するファンク・バンド、キャメオに加入(79年の『Secret Omen』から)。90年代以降もアウトキャスト『Stankonia』に参加するなどしている。

アルバムのオープナーとなるタイトル曲「Super Trick」はダンサブルなライト・ファンクで、ディスコ寄りではあるが緻密なアレンジの高度な演奏を聴かせてくれる。「Hey Girl」は爽快メロウなグルーヴィー・チューン、「Bull City Party」はソリッドなダンス・ファンク・ナンバー。
澄み渡るようなブリージン・メロウ「You & I」、シャープなリズム&ホーン・セクションがグルーヴするファンク・チューン「Washing Machine」、ラストの「Sleepy Time Is Over」は弾力に富んだグルーヴが躍動するファンク・ナンバー。