electrified funk
Electrified Funk / Wild Cherry
 Epic '77 

オハイオ出身の白人5人組バンド、ワイルド・チェリー。
元々は70年頃にハードロック・バンドとして結成されるも、まったく売れなかった模様。そんな彼らを尻目に、70年代半ばになるとオハイオ・プレイヤーズをはじめ数多くの優れたファンク・バンドを輩出したオハイオ州はファンクの一大メッカに。また、全米規模でのディスコの台頭もあり、冴えないロック・バンドだったワイルド・チェリーは営業上の戦略から70年代後半になってファンキー路線へと方向転換することに。

するといきなり「Play That Funky Music」が爆発的なヒットを記録。この曲は分かり易くキャッチーでありつつも、汗臭く猥雑なムードもあるディスコ・ファンクでインパクトは十分。その曲を含むさくらんぼを咥えた唇ジャケが有名な1stアルバムも悪くない出来だと思う。
ただ、ワイルド・チェリーと言えば、(そのインパクトがあまりにも大き過ぎた故に)ほぼこの「Play That Funky Music」のみで語られる一発屋という印象は拭えず、その先入観のせいで2nd以降のアルバムはずっと未聴のままだった。

が、最近になってようやく聴いたこの2ndアルバム『Electrified Funk』も思いの外悪くない、まずまずの出来だった。基本的には、やはり「Play That Funky Music」系の踊れるディスコ・ファンクがアルバムの中心なので、あの曲に抵抗が無ければ十分に楽しめる内容。
ただこのバンドは、白人が無理に喉を潰してガナッているようなヴォーカルは好みが分かれるところかも。このヴォーカル・スタイルはファンキーな歌唱を意識してのものなのか、それとも出自であるハードロック時代の名残なのかは分からないが、個人的にはあまり好きじゃない(これよりは、アヴェレージ・ホワイト・バンドのように非力ながらも自然体なヴォーカルの方が好み)。

アルバムのオープニング・ナンバー「Baby Don't You Know」は、いきなり「Play That Funky Music」の二番煎じのような曲ではあるが、テンション高いファンク・ナンバーで快調。速いテンポで駆け抜けるアッパーなディスコ・ファンク「Are You Boogieing Around On Your Daddy」、ダンサブルなディスコ・トラックの「Dancin' Music Band」、タイトなグルーヴのファンク・チューン「Put Yourself In My Shoes」、「Closest Thing To My Mind」は優美なムードのバラード。
アルバム・タイトル曲の「Electrified Funk」はライヴ感漲るハードなファンク・ナンバー。哀愁ミディアムの「Hole In The Wall」、粘っこいグルーヴのファンク・チューン「Hot To Trot」、メロウ・ミディアムの「Hold On(With Strings)」、ラストの「It's All Up To You」はミドル・テンポのファンク・ナンバーで締める。