prince of darkness
Prince Of Darkness / Big Daddy Kane
 Cold Chillin' '91 

ブルックリンを代表するラッパーであるビッグ・ダディ・ケインは、マーリー・マールがプロデュースした1st『Long Live The Kane』とセルフ・プロデュースを大幅に増やした2nd『It's A Big Daddy Thing』、80年代末のこの2枚の評価が高いのだと思うが、4作目となる本作『Prince Of Darkness』も、個人的に初めて聴いたBDKのアルバムということもあって結構好きな作品だ。
どうやらコアなヒップホップ・リスナーからの評判はあまり芳しくないらしい本作、R&B寄りの曲が数曲あり、その辺りが低評価に繋がっているのだと思うが、BDKのラップは相変わらずカッコいいし、アルバムのほぼ全編をセルフ・プロデュースする手腕にも磨きがかかっていると思う。

アルバムのオープナーとなるタイトル曲「Prince Of Darkness」は、ザップ「Be Alright」とプリンス「Round And Round」のテヴィン・キャンベルのヴォーカルをサンプリングしたメロウ・チューン。「The Lover In You」はプリンス「Pop Life」のシーラのドラミングをループし、フックではシュガーヒル・ギャングの同名曲を歌う。「Git Bizzy」はカーティス・メイフィールド「Give Me Your Love」の冒頭のメロウなギターのリフレインをループし、フォスター・シルヴァ―ス「Misdemeanor」やビル・ウィザーズ「Ain't No Sunshine」のサンプルを散りばめる。
JB「Give It Up Or Turnit A Loose」のビートにBDKのファスト・ラッピンが乗る「Ooh, Aah, Nah-Nah-Nah」、リー・ドーシー「Get Out Of My Life Woman」のドラム・ビートに「Playing You Game, Baby」のサンプリングでバリー・ホワイトばりの官能ムードを醸す「Brother, Brother」、R&Bっぽい曲調のアップテンポなダンス・ナンバー「Groove With It」、アーニー・アイズレー風のギターが嘶くミッドナイト・スロウ・ジャム「I'm Not Ashamed」は、アリソン・ウィリアムズがフックを歌う。

ミーターズ「Live Wire」のグルーヴィーにウネるビートをサンプリングした「Trounbled Man」、デクスター・ワンゼル「Theme From The Planets」ネタのニュー・ジャック・ナンバー「T.L.C.」、フローターズ「Float On」にメイシオ&オール・ザ・キングス・マン「Got To Getcha」をサンプリングしたミドル・チューン「Float」、「Come On Down」はQティップとバスタ・ライムスが客演しBDKとマイク・バトルを繰り広げる。
ファンカデリック「Good Old Music」、ミーターズ「Liver Splash」をサンプリングした「Death Sentence」、ジョージ・クリントン「Atomic Dog」のビートにメイシオ「Soul Power ’74」のホーン、クール&ザ・ギャング「Jungle Boogie」の声ネタを乗せた「Get Down」、代表曲のひとつである「Raw」のリメイク版「Raw '91」、ラストはDJのMr.Ceeが1人でラップする「D.J.s Get No Credit」。