message from west to west
Message From West To West Luv N' Haight Collection
 Seven Seas '03 

ファンク/ジャズ・ファンク/レア・グルーヴを中心とした発掘・リイシュー作業で知られるカリフォルニアの名門レーベル、Luv N' Haight。
『Bay Area Funk』『California Soul』などの優良コンピレーションはもちろん、Hard To Find なレア盤を積極的にリイシューしてくれる大変ありがたいレーベルで、自分も相当お世話になっている。
そんな信頼厚いラヴン・ヘイトのカタログから選りすぐりのキラー・トラックばかりを集めた編集盤が本作『Message From West To West』。日本独自企画のコンピで、選曲はDJ PINCHと中田亮の両氏。コレ1枚あればラヴン・ヘイトの仕事の主だったところは一通り俯瞰できるし、このレーベルが持つカタログを更に深く掘り下げていくための入り口としては打ってつけの1枚。何より、最初から最後まで最高にファンキーでカッコいい音楽をたっぷりと楽しめる。

インディアナポリスの大所帯ファンク・バンド、ターナー・ブラザーズの唯一にして激レアなアルバム『Act 1』から、一心不乱に突き進むドス黒ファスト・ファンク「Please The People」で本盤は幕開け。シカゴのアフロ・ジャズ・ファンク・バンド、ファラオズの『Awakening』収録の黒汁溢れ出るジャズ・ファンク「Freedom Road」、デトロイトの高校生バンド、プロポジションズのダーティーで強力なディープ・ファンク・チューン「Something Different」は、未発表曲多数含む2CD『Funky Disposition』でも聴くことができる。
アポストルズはナイジェリアのバンドでもアシッド・ジャズのグループでもなく、セントルイスの白人バンドのようで、ここに収録された「Soulful」はドープなドラムの上をオルガンやホーンがドライヴするカッコいいファンキー・チューン。詳細不明のファイヴ・オウンシズ・オブ・ソウル「Love Got A Piece Of Your Mind」はフルートがヒップに翻るイカシたファンク・ナンバー。ユージン・ブラックネル&ニュー・ブリード「Gettin' Down」はグルーヴィーなオルガンとファズ・ギターがカッコいいファンクで、ブラックネルの足跡を辿ったベスト盤 『We Can't Take Life For Granted』にも収録されている。

ジョニー・トルバート「Pickin' Cotton」はファンキーなインストR&B、これも詳細不明なオーガナイゼーション「Smoking Feeling」は、JB'sタイプの超カッコいいインスト・ファンク・チューン。マローン&バーンズ&スポンティニアス・シンプリシティーの『Freedom Serenede』収録の「Moonstruck」はクラヴィネットとシンセが効いたジャズ・ファンク。
オハイオの4人組バンド、ソウル・トロネイドス「Hot Pants Breakdown」は砂利混じりのザラザラしたグルーヴが堪らないディープ・ファンクで、このバンドのシングル曲をすべて収めた編集盤 『The Complete Recordings』でも聴くことができる。バルバドスのファンク・バンド、エスクワイアズ・ナウのメガ・レア盤『Born To Win』収録のリン・コリンズ「Think」のカバーは、陽気なパーカッションとホーンが楽しいカリビアン・ファンク。

ジョニー・フリゴ・セクステッットによるデニス・コフィー「Scorpio」のカバーはブレイクを叩き込むドラムスと太いベースが弩ファンキー。ジョニー・ルイス・カルテットによるミーターズ「Cissy Strut」カバーは、ギトギト粘りつくクラヴィネットが凶悪なジャズ・ファンク・チューン。
ヒルトン・フェルトンの『A Man For All Reasons』 収録の「Be Bop Boogie」は、ド頭から極上のドラム・ブレイク発動のグルーヴィーなジャズ・ファンク。ラテン・ファンクのファイア「Flight To Cuba」、ハーユー・パーカッション・グループ「Barrets Bag」はパーカッシヴに躍動するデスカルガ・チューン、ドン・カニンガム「Quiet Village」は狂騒のラテン・ジャズ。
オニクス「Break It Loose」はグルーヴィーでファンキーなソウル・ナンバー、そしてラストのパーフェクト・サークル「The Hands Of Time」は、彼らの唯一のアルバム『We're #1』収録の超絶カッコいいベイエリア・ファンク・チューン。