hotel sheet
Hotel Sheet / Jack Ashford
 Magic Disc '77 

モータウン・サウンドと聞いて、どんな音が連想されるだろうか。
ジェイムス・ジェマーソンのシンコペイトするグルーヴィーなベースや、ピストル・アレンやユリエル・ジョーンズといったドラマー達が叩き出すバック・ビートなどがまず思い起こされるが、スネアに合わせて叩くタンバリンの音もモータウンを象徴するものだと思う。あのパーカッシヴに打ち鳴らされるタンバリンがモータウン・ビートを補強し、リズムの躍動を増幅していたと思う。

モータウンの数多のセッションで、あの特徴的なタンバリンをはじめパーカッション類を演奏していたのがファンク・ブラザーズのジャック・アシュフォード。マーヴィン・ゲイ『What's Going On』のクレジットにも名を連ねる彼の唯一のソロ・アルバムが本作『Hotel Sheet』。
マーヴィンのスタジオで録音された本作は、ユリエル・ジョーンズやアール・ヴァン・ダイク、ロバート・ホワイト、エディー "ボンゴ" ブラウンといったファンク・ブラザーズの面々の他、ワーワー・ワトソンなども参加。
ジャケットでタンバリンとボンゴを叩くジャックだが(本人不在で女性が写った別のジャケットもあるようだが)、タンバリンやパーカッションがそれほど強調されているワケでもない。70年代後半の作品ということもあり、ファンキーなディスコ/ソウル・アルバムといった感じで、それなりに楽しめる内容とは言えそう。

ところで、アルバム・タイトルのホテル・シートとは、裏ジャケにも写るジャック考案の薄い板状のオリジナル楽器とのことで、どうやって演奏するのか分からないが、出音は下敷きをグニャグニャと曲げた時にビヨンビヨンと鳴るような音。その楽器の名を冠したアルバム・オープンニング・ナンバー「Hotel Sheet」は、終始ビヨンビヨンと鳴り続けるディスコ・ファンクで、ブラックスプロイテーションっぽいムードもある好曲。

ニュー・ソウル調のグルーヴィー・メロウ「I'll Fly To Your Open Arms」、ビヨンビヨン音が控え目に鳴るファンキー・ディスコ「This Ain't Just Another Dance Song」、豪奢なストリングスが施されたインスト「Hi Mom Hi Al」もどこかサントラ風。
マーヴィン風のメロウ・ソウル「Shar」、グルーヴィーにベースがウネるダンス・ナンバーの「Get Right On Top(Cause I Need Someone)」、ポップに弾むミディアム「Baby I'm So Glad」、ラストの「Funky Disco Party」はガヤ入りのファンキー・チューン。