sun power
Sun-Power / Sun
 Capitol '77 

70年代後半から80年代前半にかけて8枚のアルバムをリリースしたオハイオのファンク・バンド、サン。
70年代の作品しか聴けていないのだが、なかではデビュー作の『Wanna Make Love』は抜群の内容を誇るオハイオ・ファンクの傑作で、このバンドの代表作と言えばコレだろう。
その1stアルバムの時点では、バイロン・バードを中心とする黒人7人組だったが、続く2ndアルバムとなる本作『Sun-Power』では新たに白人メンバー3人が加入し、総勢10人のバンドへと大型化。サン史上最も手抜きなこのジャケットのせいで地味な扱いを受けているようにも思う本作だが.、前作の路線を受け継ぎつつも更にバンドの音も厚みを増したファンク・アルバムになっていて、なかなかの出来。

アルバム・オープナーの「Light Me Up」は、派手なところは無いがタフで骨太なファンク・チューン。「Boogie Bopper」はホーン・アレンジもバッチリきまったオハイオ・ファンク。「We're So Hot」は熱く埃っぽいインスト・ファンク・ジャムでカッコいい。「Conscience」はクールなミドル・チューン。
「Time Is Passing」はジャジーなムードも漂うスロウ・ナンバー。グルーヴィーなミディアムの「Just A Minute Of Your Time」、重量感のあるミッド・ファンクの「Organ Grinder」、ラストの「She Lives Alone」も手堅いファンク・チューン。

斯様に充実した作品を2作続けてモノにしたサンだが、この後、メンバーのうち6人がバンドを脱退し(そのうちショーン・サンドリッジら3人はデイトンを結成)、5人が新たに加入するという大幅なメンバー・チェンジを敢行。リーダー格のバイロンは健在なれど、以前とは別のバンドと言えるほどの血の入れ替えが行われた故か、3rdアルバム『Sunburn』はメロウな作風が人気の好盤ではあるけれど、ややポップで軽量級のファンク・アルバムになってしまった感は否めない。