feeling my way
Feeling My Way / Margie Joseph
 Atlantic '78 

マージー・ジョセフがヴォルトからアトランティックに移ったのは3rdアルバム『Margie Joseph』からで、以来、重鎮アリフ・マーディン直々のプロデュースのもと、ポスト"アレサ・フランクリン"としてレーベルのプッシュを受けたものの、どうやらヒットには恵まれなかった模様。環境を変え心機一転を図ったか、76年の『Hear The Words, Feel The Feeling』はマーディンの手を離れラモン・ドジャーにプロデュースを依頼、リリースもアトランティック傘下のコティリオンからとなった。

続く本作『Feeling My Way』は再びアトランティックからのリリースとなったが、本作でプロデューサーとして全権を委嘱されたのはジョニー・ブリストル。作曲も全曲ブリストルの手からなり、アルバム全編に渡ってブリストル流のもてなしに溢れている。
バックアップするミュージシャンもマーディン時代からは大きく顔触れが変わっており、ブリストル・サウンドには欠かせないジェイムス・ギャドソン、デイヴィッド・T・ウォーカーをはじめ、ジェイムス・ジェマーソン、アル・マッケイ、リー・リトナー、アーニー・ワッツなど錚々たる面子が脇を固める。特にデイヴィッドTのあの黄金のフレージングがアルバム全編でたっぷり楽しめるのが嬉しい。

ソフィスティケイトされたメロウ&グルーヴィー・ソウル傑作で、マージーのヴォーカルはスケールの面ではリトル・アレサといった印象ではあるが、円やかでたおやかな歌い口はブリストルの楽曲/サウンドとの相性は抜群。本作とブリストルの76年名盤『Bristol's Creme』は共通するムードがあり、さながら、マーヴィン・ゲイ『I Want You』とレオン・ウェア『Musical Massage』の関係性にも似た双子アルバムと言っていいかもしれない。

アルバム1曲目の「I Feel His Love Getting Stronger」の、このグルーヴ、このメロウネス。ブリストル節満開の瑞々しいメロウ・ソウルで素晴らしい。続く「Come On Back To My Lover」もブリストル・マジックが煌きまくったミディアム。蕩けるようなデイヴィッドTのギターも琴線に触れまくりで、これは堪らない。このアタマ2曲はホントに泣けてくるほど素晴らしい。

もうこの時点でメロメロだが、更にダメ押しとばかりに、ここから何と『Bristol's Creme』収録曲のカバー3連発。ムーディーなバラード「You Turned Me On To Love」とミディアム・スロウの「I Love Talking 'Bout Baby」は原曲を踏襲したつくりだが、ダンディズム滲むブリストルとはまた違う、円やかなマージ―の歌唱が楽しめる。一方で「He Came Into My Life」はオリジナルよりもテンポを上げてカバー。ギャドソン、ジェマーソン、デイヴィッドTら達人たちの弾むようなリズミカルな演奏の素晴らしさにただただ聴き惚れる。

「Picture Of A Clown」はマージ―の伸びやかなヴォーカルが気持ちいい。「How Will I Know」もまさにブリストル印としか言いようがないメロディーを持った曲で、マージ―の歌い回しにもブリストルっぽさが滲む。
「Love Takes Tears」「All Good-Bye's Aren't Gone」の2曲はブリストルの2ndアルバム『Feeling The Magic』からのカバー。グルーヴィーなミディアム・ソウルの前者、エレガントなスロウ・ナンバーの後者、ともに文句なし。
ラストの「Discover Me(And You Will Discover You)」はダンス・ナンバーだが、78年にしてディスコ色皆無のソウル・ダンサーであることにプロデューサーとミュージシャンの意地を見る思い。