in session
In Session / Chairmen Of The Board
 Invictus '70 

ジェネラル・ジョンソン率いるデトロイトの4人組ヴォーカル・グループ、チェアメン・オブ・ザ・ボード。
100プループ・エイジド・イン・ソウルや8thデイのように、イマイチ実態が掴めない短命グループが多い印象のインヴィクタス/ホット・ワックスにおいて、70年代前半に4枚のアルバムをリリースしたこのグループこそ、同レーベルの看板アーティストだったのではないかと思う。モータウンにおけるダイアナ・ロス的存在がインヴィクタスではフリーダ・ペインであるならば、テンプテーションズのポジションにいたのはチェアメンだろう。

彼らの最高傑作として挙げられることが多い1stアルバムはやはり名盤だし、個人的には最もファンクな最終作『Skin I'm In』も好きだが、2ndアルバムとなる本作『In Session』も凄い。
メンバーがそれぞれソロ・アルバムをリリースなど実力派シンガー揃いである上に、この時期のインヴィクタスのサウンドは超強力。躍動するグリッティなデトロイト・ビートに、ジェネラル・ジョンソンをはじめ、ダニー・ウッズ、ハリソン・ケネディーら、それぞれに個性的なヴォーカルがギリギリと拮抗する、ノーザン・ソウルの大傑作だ。

アルバムのオープニング・ナンバーでグループ名を冠したタイトルの「Chairmen Of The Board」は、意外やブギっぽいリズムのファンキー・ブルーズ。「Everything's Tuesday」はジェネラル・ジョンソンの胃袋吐き出しそうなほどに咽返るヴォーカルが強力なデトロイト・ソウル名曲。「Pay To The Piper」はダニー・ウッズの熱いヴォーカルに煽られるグレイト・ノーザン・ダンサー。
ややポピュラー調のバラード・ナンバー「Twelfth Of Never」、「All We Need Is Understanding」も素晴らしいノーザン・ソウル・チューンで、ガムをクチャクチャ噛みながら歌ってるかのようなジェネラル・ジョンソンのネチッこい歌唱がカッコいい。クラレンス・カーターによるカバーでも知られる「Patches」は1stアルバムからの流用だが、やはりこの曲はチェアメンの代表曲。

「It Was Almost Something」はグルーヴィーなデトロイト・ソウルで、もうこの手の曲はどれも間違いのない出来。サイモン&ガーファンクル「Bridge Over Troubled Water」のカバーは弦をあしらったアレンジがクラシカルなバラード。
ビートの効いたドラムにファズがかったギターとキーボードがラフにグルーヴするサイケデリック・ファンク・ソウル「Hanging On To A Memory」、クラヴィネットも絡んだ乾いたグルーヴィー・ソウルの「I Can't Find Myself」、パーカッシヴなグルーヴのノーザン・ソウル「When Will She Tell Me She Needs Me」、ラストの「Children Of Today」はブルース・ハープが土埃巻き上げるブルージーなソウル・ナンバーで、ハリソン・ケネディーのヴォーカルにも勢いがある。