cisco kid
The Cisco Kid / Reuben Wilson
 Groove Merchant '74 

ジャズ・オルガン奏者、リューベン・ウィルソンは、60年代にはブルー・ノートからリーダー作を数枚リリース。70年代前半にはグルーヴ・マーチャントから『The Sweet Life』と『The Cisco Kid』の2枚を、75年にカデットから『Got To Get Your Own』をリリース。その後はリーダー作のリリースが途絶えてしまうが、レア・グルーヴやアシッド・ジャズ界隈での再評価もあってか90年代以降になって再びアルバムが制作されるようになった。

グルーヴ・マーチャントの2枚のなかでは、本作『The Cisco Kid』の方が個人的には好み。ジャズ/ソウル/ファンクのヒット曲カバーがレパートリーの大半を占めるのは、この当時のジャズ・ファンク系作品の常道だが、漆黒のユルいグルーヴに気持ちよく満たされる、いい湯加減の極上のソウル・ジャズ作品に仕上がっている。主役の臭味たっぷりの脂ぎったオルガンはもちろん、メルヴィン・スパークスのギターもファンキーで最高。

ウォーの「The Cisco Kid」のカバーは、重いベースがノタ打ち煙たいオルガンが揺れるルーズなジャズ・ファンク・チューン。「The Last Tango In Paris」はムーディーでグルーヴィーなソウル・ジャズ・ナンバー。カーティス・メイフィールド「Superfly」のカバーは路地裏感横溢のヤクザなジャズ・ファンク。カーペンターズ「We've Only Just Begun」はスウィンギーなオルガンがいいムードのシャッフル。
「Snaps」はユルいグルーヴでまったりと揺れるソウル・ジャズ。ジミー・マクグリフとは同名異曲の「Groove Grease」は、ブルージーでギトギトに濃いグルーヴに塗れるスウィング・ナンバー。ラストのバカラック・ナンバー「The Look Of Love」もオルガンがネットリと纏わりつくソウル・ジャズ・チューン。