blacula
Blacula / Gene Page
 RCA Voctor '72 

1972年公開の映画『吸血鬼ブラキュラ』。
タイトルから察しがつくとおり黒人版ドラキュラで、もちろん未見だがC級トンデモホラーだということは想像がつく(ソウル・オブ・ブラック・ムービーによると、"ブラック版ホラーの先駆け的不朽のの迷作"とのこと)。こんな作品まで制作されてしまうほど、70年代前半のブラックスプロイテーション映画は隆盛を誇っていたということだろうが、どうやらこの作品は意外にもヒットしたようで、日本でも公開されていたというのは驚きだ。

サントラを制作したのは名匠ジーン・ペイジ。流石のタクトさばきでなかなかカッコいいビッグバンド・ジャズ・ファンクを聴かせてくれる本作は、ブラックスプロイサントラ盤を好む向きには十分に楽しめる内容。
アルバムのオープニング・チューンはファンキーなレア・グルーヴ・ナンバー「Blacula(The Stalkwalk)」。ユルくシャッフルするヴォーカル・ナンバー「Heavy Changes」、ビッグバンド・ジャズ・ファンクの「Run, Tina,Run!」、ヒューズ・コーポレーションのヴォーカルが入ったファンキー・チューン「There He Is Again」、ワウ・ギターがウネりまくるグルーヴィーなジャズ・ファンク「Movin'」、「Main Chance」はムーディーなスロウ。

「Good To The Last Drop」はタイトルからウィリー・ハッチのカバーかと一瞬思ったが、それとは同名異曲の粘っこいファンク・チューン。スリリングかつダークに蠢くカッコいいジャズ・ファンク「Blacura Strikes!」、バラードの「What The World Knows」とミディアムの「I'm Gonna Catch You」はヒューズ・コーポレーションのヴォーカルをフィーチャー。
たおやかな弦アレンジで聴かせる「The Call」、ストリングスが緊張感煽るジャズ・ファンク「Firebombs」、ラストの「Wakeeli(Swahili Farewell)」はいかにもホラー映画のスコアらしい雰囲気を感じさせる。