mother freedom band
Cutting The Chord / Mother Freedom Band
 All Plutinum '77 

ミッキー&シルヴィア・ロビンソン夫妻の主催するニュージャージーのレーベル、オール・プラチナムからリリースされた、マザー・フリーダム・バンドの唯一のアルバム『Cutting The Chord』。
このバンドの素性についてはよく知らないのだが、オール・プラチナムのハウス・バンドなのか、あるいは後のシュガーヒルのスタジオ・ミュージシャンなのか、そうすると翌年にリリースされたブラン・ニュー・ファンク『'78』との関連は?などと妄想が膨らむが、本作ではなかなかタイトなバンド・サウンドを聴かせてくれるので、実力派のミュージシャンによって構成されたバンドであることは間違いない。
エグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされている、モーメンツのアル・グッドマンが実際どの程度制作に関与しているのか分からないが、レパートリーはファンクを中心にメロウな曲やレゲエ調まで幅広く、アルバム1枚通して飽きさせない好内容。

アルバムのオープナー「Love Will Stay In Your Corner」はタイトなグルーヴで疾走するファンク・ダンサー。グルーヴィーなインスト・ファンク・チューンの「Flick Of The Wrist」は、キレのいいホーン・セクションが非常にカッコいい。「Gotta Get It Back」は晴れやかでメロウなグルーヴィー・ソウルでなかなかの気持ち良さ。
「Mr. Brother」は泥臭さくウネるファンク・チューンで、ここでもしっかりタイトなバンド演奏は聴き応え十分。「Beautiful Summer Day」はタイトルから想像されるとおりの爽快メロウなソウル・ナンバーで、思い出せないがどこかで聴いたことがあるような既聴感たっぷりのメロディーが耳馴染みいい。

「(Assistant's Rag)When You're Hot, You're Hot」は、ヴォーカル・アレンジがまんまパーラメント「Up For The Down Stroke」なルーズに引きずるミッド・ファンクで、これは反則気味ではあるがやはり抗えないカッコよさ。
脈々とグルーヴする太いベースにクラヴィネットが並走するブリブリのファンク・チューン「We Like To Boogie」、ニュージャージーのグループらしさに溢れたスウィートなスロウ・ナンバーの「Come On Home」、「Touch Me」はラテン味も匂うグルーヴィーに走る哀愁ファンク・ナンバー。ラストの「Sweet Love」はレゲエ・フレイヴァ―の土着リズムがユルくも重く揺れるミドル・チューン。