on the rocks
On The Rocks / Whatnauts
 Stang '72 

ニュージャージー3人組ヴォーカル・グループ、ホワットノーツ。
ジャージー・ソウルの黒幕、ミッキー&シルヴィア・ロビンソン夫妻主宰のオール・プラチナム傘下のレーベル、スタングから、スウィート・ヴォーカル・グループの名伯楽、ジョージ・カーのプロデュースでアルバム3枚をリリースしたグループ。
本作『On The Rocks』は最終3作目。甘ったるいほどにスウィートなソウル・ミュージックだが、このレーベル特有のザラザラと濁りまくったラフ過ぎるサウンドが、3人のハーモニーと相俟って、何とも妖しくもイナタいムードを醸し出している。

トロトロに甘く退廃的にムーディーなスロウ「You Forget Too Easy」からアルバムはスタート。
粗削りなグルーヴで突っ込むファンキーなアップ・ナンバー「Heads Up」、ドリーミーなファルセットが天翔ける狂おしくメロウなスウィート・ソウル「Hurry Up And Wait」、「I'm So Glad I Found You」は爽快に疾走するダンサブルなアップ・ナンバー。
「Only People Can Save The World」はレイジーなムードが横たわるやや重めのスロウ・ナンバー。「Blues Fly Away」は弾むようなリズムが心地いい軽快なミディアム・ソウル。

「Why Can't People Be Colors Too?」はドラムとベース&ギターの絡みに、クールなヴォーカル・ワークも超絶カッコいい弩ファンク・チューン。曲中盤以降に続く、引きずるようなグルーヴを繰り出す極太ドラム・ブレイクと、そこに挿入されるホーンや鍵盤もカッコいい。この曲のドラムは、ATCQ「Oh My God」、ピート・ロック&CLスムース「Get On The Mic(Remix)」、スミフン・ウェッスン「Bucktown」、INI「Think Twice」などなど、数多のヒップホップ楽曲にサンプリングされたブレイクビーツ・クラシック。
ラストのスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ「Ooh Baby Baby」のカバーはイナタく妖しげな雰囲気にトロけさせてくれるスウィート・スロウ。