groovy middle mellow

ファンク・バンドのアルバムを聴く楽しみは、何もファンク・ナンバーだけにあるワケじゃない。
汗臭く泥臭いハードなファンクに挟まれたミディアムやスロウ系のソウル・ナンバーもまた、ファンク・アルバムを聴く時の楽しみのひとつだ。それらの曲は、洗練されていなくて粗削りだったり、ヴォーカルもコーラスも拙かったりすることも多いが、それもまた妙に味わい深かったりする。個人的には、気持ちいいメロウ曲があるかどうかも、そのアルバムが頻繁にCDトレーやターンテーブルに乗るかどうかの基準のひとつになっている。
以下は、そんなファンク・バンドがプレイする、メロウなグルーヴに身を委ねて気持ちよく聴けるミドル・テンポのナンバーだけを集めたプレイリスト。

has arrivedM-1
Fly Away Love Bird / Tyrone Thomas & The Whole Darn Family
 from 『Has Arrived』

ファンク/レア・グルーヴ・クラシック「Seven Minutes Of Funk」で知られるホール・ダーン・ファミリー。その唯一のアルバム『Has Arrived』に収録されている、メロウでグルーヴィーな高揚感/多幸感に満ち溢れた「Fly Away Love Bird」。タイトルどおり、飛翔していくような極上ミディアム・ソウル。
レーベル・メイトのラリー・サンダースも歌っている曲で(アルバム『Strangers』に収録)、そちらも甲乙つけ難い名演。

tower of powerM-2
Clever Girl / Tower Of Power
 from 『Tower Of Power』

タワー・オブ・パワーにはミディアム~スロウ系の好曲が多いが、バリバリにタイトなファンク「What Is Hip?」からこのメロウ・ソウルへの流れは堪らなく気持ちいい。絶妙なテンポでグルーヴィーに揺れるミディアム・ナンバーで、レニー・ウィリアムズの甘くソウルフルなヴォーカル、終盤のホーンとストリングスのアレンジも爽快。


bubble gumM-3
Sexy Girl / The 9th Creation
 from 『Bubble Gum』

ベイエリアの大所帯ファンク・バンド、9thクリエイション。1stアルバム『Bubble Gum』はタイトル曲や「Learn-N-To-Live」などのタフで埃っぽいファンク・ナンバーが居並ぶ中、メロウ系の曲もいいバランスで配置されている。爽やかなサマー・ソウルの「Sexy Girl」は、西海岸の乾いた風に吹かれてスーッと溶けていくようなメロウネス。


boobie knightM-4
April / Boobie Knight & The Universal Lady
 from 『Boobie Knight & The Universal Lady』

野卑で猥雑なファンク/レア・グルーヴ名盤の本作にも、気持ちいいメロウ曲あり。「April」は男臭く不器用なヴォーカル&コーラスと、スウィートなメロディーや柔らかく華やいだホーンとの対比も素敵な、黒さと武骨さをイイ具合に残したミディアム・メロウ・ソウル。むくつけき男どもが重ねる甘いハーモニーには汗の匂いが混じる。


flatfoot hustlinM-5
I Like Your Stuff / The Sidewinders
 from 『Flatfoot Hustlin'』

カナダのファンク・バンド、サイドワインダーズの唯一のアルバム『Flatfoot Hustlin'』にはファンクからメロウまでグルーヴィーな良曲だらけ。なかでも「I Like Your Stuff」はシカゴのグループかと思わせるような、ヴォーカル・グループ風のメロウ・ソウル・ナンバーで素晴らしい。


step by stepM-6
We Won This Time / Step By Step
 from 『I Always Wanted To Be In The Band!』

シカゴの12人編成のファンク・バンド、ステップ・バイ・ステップ。タイトルも最高な唯一のアルバム『I Always Wanted To Be In The Band!』は、若さ溢れる粗削りなファンク・チューンもイイが、ミディアム/スロウ系の気持ちイイ曲がたくさん入っていて、特にこの「We Won This Time」は心地よくハネるリズムや、ミシガン湖から吹く風のようなコーラスやホーンも気持ちイイ、シカゴ・ステッパーな極上ミドル。

austin funkM-7
Since I Met You / Steam Heat
 from 『Austin Funk』

テキサス州オースチンの白黒混合バンド、スティーム・ヒート。
レペゼン地元な唯一作『Austin Funk』は、イナタいローカル・ファンクからメロウな曲まで幅広く楽しめる。中でも個人的に最もお気に入りの「Since I Met You」は、柔らかいグルーヴが爽やかに駆ける気持ち良過ぎるメロウ・ソウル。


keep on steppinM-8
Love / The Fatback Band
 from 『Keep On Steppin'』

黒く煤けたストリート・ファンクが最高なファットバックだが、大抵の場合アルバムにはミドル・テンポの甘いソウル・ナンバーが数曲入っていて、それがまた大好物だったりする。なかでもこの「Love」の、ほの温かくイナタいメロウネスは絶品で、まったりと舌に纏わりつくような口溶けの悪いチョコレートのよう。


welcome to the newsroomM-9
Welcome To The Newsroom / Paul Tillman Smith
 from 『Welcome To The Newsroom』

ヴァイタミンEやブリッジといったグループで活動した西海岸のミュージシャン、ポール・ティルマン・スミスによる珠玉のメロウ・ソウル。
テンポを上げたロニー・ヒューイット版(『Keepin' It Together』収録)や、モダンなヴァイタミンE版(『Sharing』収録)もイイが、やはりこのオリジナル版のイナタいグルーヴィー・メロウが堪らなく好きだ。

honeyM-10
Sweet Sticky Thing / Ohio Players
 from 『Honey』

オハイオのメロウ・サイドの大定番曲だが、やはりコレは外せない。
タイトルが何をか況や、甘くネバネバした糖蜜のようなメロウなグルーヴ、猥雑で官能的なムード、ちょっぴりジャジーな味付けもイイ。スウィートさとイヤラしさを醸すビリー・ベックを中心としたファルセット・ヴォーカル&コーラスも素晴らしい。


best kept secretM-11
Love Like This / Raw Soul Express
 from 『Best Kept Secret』

マイアミのファンク・バンド、ロウ・ソウル・エクスプレス。唯一のアルバム『Raw Soul Express』にもメロウ系の佳曲が入っているが、ここでは未発表曲集に収録された「Love Like This」を。アコギの爪弾きが琴線に触れるメロディアスでモダンなメロウ・ソウルで、リード・シンガーのファルセットやコーラス・ワークもイイ。



winner takes allM-12
You're The Key To My Heart ~ You're Beside Me / The Isley Brothers
 from 『Winner Takes All』

メロウな名曲なら山ほどあるアイズレーだが、ここでは全盛期をやや過ぎたあたりの2枚組『Winner Takes All』のハイライトを形成するこのメドレーを。2曲取り上げるのは反則気味だが、この2曲は続けて聴くことで気持ちよさ3倍増。アーニーのアコギがロナルドのヴォーカルにそっと寄り添う、1番心地いいテンポで流れていく9分間の至極のメロウ・ソウル。

robbie hills family affairM-13
Love Is Waiting For You / Robbie Hill's Family Affair
 from 『Gotta Get Back : The Unreleased L.A. Sessions』

1枚もアルバムを残すことのできなかったシアトルのバンド、ロビー・ヒルズ・ファミリー・アフェア。しかしこの未発表曲集には、カッコいいファンクの他にクラシック級の輝きを持つメロウ・ソウルが2曲入っている。
そのうちの1曲「I'll See You」も素晴らしいスロウなのだが、ここで挙げるべきはもう1曲の「Love Is Waiting For You」。フルートがメロウに囀るドリーミー・ミディアム・ソウルで、瑞々しく伸びやかなファルセット・ヴォーカルにもキュンキュン来る。

follow the windM-14
Lost For Words / Midnight Movers, Unltd.
 from 『Follow The Wind』

シカゴのファンク・バンド、ミッドナイト・ムーヴァーズ。サイケデリックで禍々しいジャケットが目を引くこの2ndアルバムは、ドゥービー・ブラザーズ「Long Train Running」をカッコよくカバーしてたりと、ややロックっぽさもあるようなファンク・アルバムだが、この「Lost For Words」は柔らかいフルートが気持ちいいミディアム・メロウ・グルーヴ。


funk is in our musicM-15
He's Mine / The Ingram Kingdom
 from 『The Funk Is In Our Music』

イングラム6兄弟によるファミリー・バンドの1stアルバムは、そのタイトルからも窺えるよに熱いファンクをぶつける力作だが、むしろメロウ系の曲の方が人気。軽やかに駆け抜けるグルーヴィー・ソウルの「What Else Can I Say」もイイが、ここでは「He's Mine」の方を。グルーヴィー&メロウなジャジー・ソウルで、紅一点のバーバラのヴォーカルも映える。