1980
1980 / B.T. Express
 Roadshow '80 

70年代のニューヨークを代表するファンク・バンドのひとつ、BTエクスプレス。
70年代半ばには、「Do It('Til You're Satisfied)」や「Peace Pipe」などの大ヒットを飛ばし、その汗臭くタフで埃っぽいディスコ・ファンクはなかなかに魅力的。

70年代に5枚のアルバムを残した彼らが、80年代の幕開けにリリースしたのが6thアルバムとなる本作『1980』。
1stアルバム『Do It 'Til You're Satisfied』から4th『Function At The Junction』あたりまでバンドのブレーンを務めたジェフ・レーンやランディー・ミューラーが、同じニューヨークのブラス・コンストラクションやスカイに専念するためか、5thアルバムの『Shout!(Shout It Out)』からは制作から離れ、本作でプロデュース/アレンジを担うのはハッシュ・プロダクションのモリー・ブラウン。
そのためか(時代的なものもあるが)、かつての汗臭く埃っぽいサウンドから、ブライトで洗練されたディスコ・ファンクへと変わってきている。ファンクからバラードまで質の高い曲が揃い、バンドもキレのいい演奏を聴かせる本作は、1stアルバムと並びこのバンドの代表作と言っていい内容。

アルバム・オープナーの「Takin' Off」は、ファンキーなギター・カッティングにサックスの哀愁フレーズ、スペイシーなシンセサイザーが誘うグルーヴィーなディスコ・ファンクで上々の滑り出し。「Heart Of Fire」はシンセ・ベースの上下動がグルーヴを生むダンサブルなファンク・チューン。
「Does It Feel Good」は煌めきのリズム・ギターとグルーヴィーなベース・ラインが当時のニューヨーク・サウンド真正面なファンク・ナンバー。ハンド・クラップ&集団ラップのイントロダクションからカッコいい「Give Up The Funk(Let's Dance)」は、本作中でも随一のヘヴィー・ファンク・トラック。

「Closer」はじんわり忍び寄る地味渋ミディアム・ナンバー。そして本作のハイライトとなる「Have Some Fun」は流麗なグルーヴが最高に気持ちイイ、非常に人気の高いスウェイ・ビート/ダンス・クラシック。
「Better Late Than Never」は情感豊かなバラード。ラストの「Funk Theory」は十八番のスペイシー・ディスコ・ファンクで、アルバムの最初から最後まで隙無し駄曲なしの傑作。

現行CDにボーナス・トラックとして収録されたシングル・オンリーの2曲も高水準。
「Let Me Be The One」は女性ヴォーカルがリードを取るダンス・ナンバーで、ソリッドなリズムが心地よし。「Midnight Beat」はパーカッションも交えビートを強調したダンス・チューンでコレもイイ。