mcb
MCB
 Epic '83 

2人組のユニット、MCB。
Mはベーシストのアーロン・ミルズでジャケット右側、Bはトロンボーン奏者のジェリル・ブライトでジャケット左側。ミルズは『Secret Omen』から、ブライトはブレインストームを経て『Cameosis』から加入し、ともに『Knights Of The Sound Table』まで在籍した元キャメオ・メンバー。
ではCは誰なのかと言うと、やはり『Cameosis』~『Knights Of The Sound Table』でキャメオに在籍した鍵盤奏者、トーマス "T.C." キャンベルで、MCBは実質的にはこの3人によるプロジェクト。

80年代初頭の全盛期キャメオの傑作群に貢献した3人だが、12人→5人へとバンド再編を図った82年の『Alligator Woman』ではリストラの対象に。そこで結成されたのがこのMCBというワケだが、この唯一のアルバムで聴けるのはまさにその当時のキャメオの音。
MCBとともにプロデュース/アレンジを手がけるのはトム・トム84。更に、アース・ウィンド&ファイアのホーン・セクションのフェニックス・ホーンズに、ベーシストとしても高名なルイス・サタフィールドらがホーン隊を構成するなど、シカゴ人脈も大きく関与している。

アルバム・オープナーの「Can't Fight The Feelin'」からミルズのベースがバキバキに効いたファンク・チューン。「I'm The One, You're The One」は流麗なストリングス・アレンジのブライトなファンク・ダンサーでなかなかの気持ちよさ。
アーバン・ムードのスロウ・ジャム「Close To You」ではブレインストーム~Pファンクと渡り歩いた女性シンガー、ベリータ・ウッズもリードを取る。「Time Is Right」はウネるベースのグルーヴに、パーカッションがどこかトロピカルなムードも漂うミッド・ファンクで、この曲でリード・ヴォーカルを取るのはキャンベル。

「Do It Up」はキャメオ・マナー溢れるダンサブルなファンク・ナンバー。ディスコ・ファンクの「Just A Thrill」、爽快メロウなミディアム「Bring It Back(To The Music)」、モダン・ダンサーの「Feel So Right」、ラストは1曲目の「Can't Fight The Feelin'」のリプライズ。