jeffree
Jeffree
 MCA '79 

インヴィクタス/ホット・ワックスのプロデューサー/ライターとして活動し、また自身も『One For The Road』『Smokin'』とアルバムを2枚残しているグレッグ・ペリー。彼には他に4人の兄弟がいるが、そのうちの1人がジェフリーことジェフ・ペリー。

アルバム2枚をリリースしているこのジェフリー。当ブログでは以前に英エクスパンションが編纂したベスト盤『Love Don't Come No Stronger』を取り上げているが、そのベスト盤にも3曲収録された本作は79年リリースの1stアルバム。

このジャケットのイケメンっぷり、そして甘いヴォーカル。そのメロウなサウンドも含めて、ジェフリーをマーヴィン・ゲイ・フォロワーと言ってしまってもいいだろう。スムーズなテナーで転がした舌先に微妙に残るザラつきは、個人的にはソウル・ヴォーカルに求める理想的な歌い口(つまりマーヴィン)に近く、聴いていて非常に気持ちイイ。

この人はシンガーとしてのみならず、作曲/アレンジの才能にも恵まれていたようで、収録曲はすべて自作(共作含む)、要所でジーン・ペイジの助けを借りているが、アレンジも全曲自身で行っている。
とにかくメロウで気持ちいいサウンド、グルーヴで埋め尽くされていて、それこそ兄グレッグのソロ作や、ジョニー・ブリストルやレオン・ウェアの70年代後半のアルバムに共通するムードを持つ良作だが、シンガーとしての実力は彼らよりも1枚上。

アルバムの幕開けを飾る「Mr. Fix-It」は、宙高く旋回するストリングス・アレンジが素晴らし過ぎるグルーヴィーでシルキーなメロウ・ソウルで、ドラマティックな曲調もヴォーカル・ワークもマーヴィンを思わずにはいられない。
快活なディスコ・ナンバーの「I Can't Help It Baby」、ファルセットで優しく包む甘いメロウ・スロウ「Better Wake Up Girl」、「One Last Chance」もまるでマーヴィンなメロウ・グルーヴで、気持ちイイとしか言いようがない。

「All My Loving(Was Made For You)」は心地よく弾むミディアム・ナンバー。「Take My Love」はゆったりとリズムを刻むリラックスしたスロウ。ラストの「Love's Gonna Last」もまったりメロウ・ミディアムで、アルバム1枚通して気持ちイイ流れが保たれている。