a tear to a smile
A Tear To A Smile / Roy Ayers Ubiquity
 Polydor '75 

70年代のロイ・エアーズ作品は本当にハズレがない。70年代後半のディスコ寄りの作品もアヴェレージ以上だが、個人的にはニュー・ソウルに歩調を合わせた70年代前半~ファンクからディスコへと徐々にシフトしていく70年代半ばの作品がハズさないどころか大当たり連発で好み。

本作『A Tear To A Smile』も非常に人気の高い作品だが、75年~76年にリリースした4作、『A Tear To A Smile』~『Mystic Voyage』『Everybody Loves The Sunshine』『Searching』を並べて聴いてみると、少しずつディスコ色を強めていく過程がよく分かる。
前作『Change Up The Groove』までのニュー・ソウルなサウンドは、ここではほとんど影を潜め、まだディスコにも浸食されていない本作は、ファンクとメロウのバランスも絶妙な良作。

オープニング・チューンの「2000 Black」はどこか中華風のフレーズも印象に残るジャズ・ファンク・ナンバー。「Magic Lady」はエアーズのエロいヴォーカルに濡れるジャジー・メロウ・グルーヴ。「Show Us A Feeling」はネチッこくグルーヴを捏ね繰り回すミドル・ファンク。
ヴィブラフォンがスリリングに走るジャズ・ファンク・チューン「Ebony Blaze」、「Time And Space」はディー・ディー・ブリッジウォーターがヴォーカルを取る柔らかなジャジー・メロウ・ソウルで本作の目玉曲。

「No Question」はエドウィン・バードソングが作曲とヴォーカルで関わった粘着質のジャズ・ファンク。アース・ウィンド&ファイアのカバー「The Way Of The World」は涼やかなヴィブラフォンが流されるメロウ・チューン。
「The Old One Two(Move To Groove)」もエドウィン・バードソングが作曲とヴォーカルに加わった、先の「No Question」と同傾向のジャズ・ファンク。「Miles(Love's Silent Dawn)」はヴィブラフォンが蕩ける微睡みのジャジー・メロウ。ラストのアルバム・タイトル曲「A Tear To A Smile」はグルーヴィーなジャズ・ファンク・ナンバー。