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Live / Betty Wright
 Alston '78 

先日66歳で亡くなったベティ・ライト。
17歳で「Clean Up Woman」が大ヒット、21歳の時に「Where Is The Love」でグラミー受賞するなど、早熟の天才歌手といった印象の、70年代のマイアミ・ソウルを代表する女性シンガー。80年代以降もコンスタントに活動を続け、近年ではジョス・ストーンのデビュー作のプロデュースや、ザ・ルーツとのコラボレーションとなるアルバム『The Movie』も記憶に残る。

本作はベティの絶頂期を捉えた78年のライヴ盤。
MCのイントロダクションで "Grammy Winner!" と紹介を受けて始まるオープニング・ナンバーは、ブレインストーム「Lovin' Is Really My Game」のカバー。グルーヴィーな演奏に乗ってベティの歌唱もグイグイと突き進むダンサブルなナンバー。
「Clean Up Woman」に並ぶベティの代表曲「Tonight Is The Night」は、冒頭の長いモノローグで気分を盛り上げ柔らかいヴォーカルでキュートに艶っぽく歌う。レオン・ラッセル「A Song For You」のカバーは、コロコロと転がるフェンダーローズの音色も気持ちいい長めのイントロに導かれて、ベティが情感豊かに歌い上げる。

お待ちかねの「Clean Up Woman」はライヴの中盤で登場。ここでは「Clean Up Woman Medley」と題して、「Clean Up Woman」をベースにしながら、シルヴィア「Pillow Talk」、ルーファス「You Got The Love」、ナタリー・コール「Mr. Melody」、マリア・マルダー「Midnight At The Oasis」、ビリー・ポール「Me And Mrs. Jones」、オージェイズ「Sunshine」、アル・グリーン「Let's Get Married Today」とメドレーで歌い繋ぐ。途中モノマネを披露したりと芸達者のところも聴かせつつ盛り上げる本ライヴのハイライト。

メドレーでひとしきり盛り上がった後はしっとりとしたバラード「You Can't See For Lookin'」。そしてラストはグラミーの栄誉に輝いた「Where Is The Love」。アップテンポのダンス・チューンで大団円を迎える。
後から付け足したような、わざとらしいオーディエンスの歓声が終始被さるのがやや興を削ぐ部分もあるが、若きベティ・ライトの実力が如何なく発揮されたソウル・ショウを堪能することができる好盤。