adventures in paradise
Adventures In Paradise / Minnie Riperton
 Epic '75 

60年代末にロータリー・コネクションのヴォーカルとして活動後、70年代初頭にはスティーヴィー・ワンダーのワンダー・ラヴにバック・ヴォーカルとして加入、その後はソロ・シンガーとして活躍したミニー・リパートン。
彼女の代表作といえば、数多のカバーを生んだ大ヒット曲「Lovin' You」を含む74年の2ndアルバム『Perfect Angel』であることに何の異論もないが、個人的に1番好きなのは75年の3rd『Adventures In Paradise』だ。

スティーヴィー及びワンダー・ラヴがアレンジ、プロデュース、演奏を手掛けるなど、スティーヴィーが全面的にバックアップした『Perfect Angel』に対し、本作『Adventures In Paradise』ではスティーヴィーの手を離れ、彼女と夫のリチャード・ルドルフ、スチュワート・レヴィンによるプロデュース。演奏はラリー・カールトン、ジョー・サンプルら西海岸の腕利きミュージシャンらが務め、ラリーはアレンジも担う。
前作でも多くの曲をミニーとリチャードが共作していたが、本作では全曲を2人で共作し、曲によってはそこに3人目の共作者としてレオン・ウェアやジョー・サンプルらが加わる。

素晴らしい演奏に洗練されたアレンジ、色褪せぬメロディ、そしてミニーの可憐なヴォーカル。全曲名曲の名盤と言ってよい内容で、隠しきれないスティーヴィーの色が随所に滲み出ていた『Perfect Angel』よりも、本作の方がシンガー/ソングライター/アーティストとしてのミニー・リパートンの姿がより鮮明に表現されていると感じる。

アルバムの幕開けを飾るのは、レオン・ウェアとの共作となる「Baby, This Love I Have」。どこか翳りのある愁いを帯びたメロディがまさにレオン節な名曲で、ミニーの胸を締めつけるようなヴォーカルも素晴らしい。イントロのラリー・カールトンのギターのフレーズから引き込まれる「Feelin' That Your Feelin's Right」もレオンとの共作で、メロウ&グルーヴィー、そしてレオンらしいファンクネスもほのかに滲む。
「When It Comes Down To It」はグッと重心を落としたリズム・セクションがグルーヴィーにウネるファンク。神秘的で愁いを帯びたムードの「Minnie's Lament」、「Love And Its Glory」は柔らかく華やかな雰囲気のメロウ・ソウル。

アルバム・タイトル曲「Adventures In Paradise」はジョー・サンプルとの共作曲で、ギター&ベース・リフが強力なファンキー・チューン。後にレオンがセルフ・カバーした「Inside My Love」は美しくも切ないメロディも秀逸だが、ア・トライブ・コールド・クエスト「Lyrics To Go」でサンプリングされたアノ部分、ミニーのハイトーンとジョー・サンプルの堪らなくメロウなエレピのリフレインで昇天。
「Alone In Brewster Bay」はアコースティック・ギターの爪弾きが琴線に触れる、海風香るメロウ・フォーキー・ソウルで、個人的には中島みゆき「シーサイド・コーポラス」を思い出したり。「Simple Things」は何ともキュートでポップに弾むラヴリー・ソウル。ラストの「Don't Let Anyone Bring You Down」はピアノが印象的なバラード・ナンバー。