soul impressions
Soul Impressions / Janko Nilovic
 Editions Montparnasse '75 

ヤンコ・ニロヴィッチはトルコ出身でフランスで活動した音楽家。主にライブラリー音源の作曲家として数多くの作品を残しているとのことで、その中でも75年の本作『Soul Impressions』は後にレア・グルーヴ方面で評価を得たアルバム。

ブラックスプロイテーション映画のサウンドトラックを思わせる、スリリングな疾走感を伴ったジャズ・ファンク・サウンドを中心に、ロック/ポップス/クラシック風まで幅広く聴かせる。黒さは無いものの、ファンクやレア・グルーヴが好きなら十分に楽しめる内容になっていると思う。

アルバムの幕開けを飾る「Hippocampus」は、ファズ・ギターがのた打ち暴れるファンキーなジャズ・ロック。フォーキーな「Open Country」、フルート吹き散らかすジャズ・ファンク「Crazy Enterprise」、アルバム・タイトル曲「Soul Impressions」は途中で陽気なサンバ調に展開するブラックスプロイ風ジャズ・ファンク。
メロディアスなポピュラー調の「Lettre De Mer」、「Drug Song」は打ってるドラムスにグシャグシャのギター、そしてフルートが妖しく光るジャズ・ファンク・チューン。

ヘヴィーなジャズ・ロック・ナンバーの「Man Of Genius」、ポップなメロディに何かほっこりする「Push Push」、「Black Swan Lake」は重いビートのジャズ・ロック・チューン。
どことなく郷愁を誘うようなムードの「Lady Day」、ワルツ風のいかにも映画音楽的な「To And Fro」、ラストの「Family Tree」は穏やかなポップ・ナンバー。