wayne davis
Wayne Davis
 Black Fire '76 

ケンタッキー出身の鍵盤奏者/シンガーのウェイン・デイヴィス。
1973年にアトランティックからロバータ・フラックのプロデュースのもとリリースした1stアルバム『A View From Another Place』は、ウェインのピアノと歌に焦点を当てた、ロバータの作品にも通じる静謐なムードを湛えた内省的なニュー・ソウル作品だが、バーナード・パーディー&ジェリー・ジェモットのリズム隊が凄まじいグルーヴを繰り出すスライ「Somebody's Watching You」のカバーをはじめ、数曲あるファンク・ナンバーが大きなインパクトを残す良作だった。

2ndアルバムにして最終作となる76年の本作は、ワンネス・オブ・ジュジュ関連のワシントンDCのレーベル、ブラック・ファイアからのリリース。
参加ミュージシャンは前作からガラリと変わり、やはりDCのミュージシャンが多数参加している模様。レーベル・カラーを反映してか、スピリチュアルなソウル・アルバムといった印象。個人的には前作の方が好みではあるけれど、本作も出来はいい。

疾走感のあるグルーヴィー・ソウル・ナンバー「Strive On And Be Strong」からアルバムはスタート。温かく穏やかなミディアム・ソウル「Morning」、ドリーミーでスウィートな多幸感溢れるメロウ・ソウルの「Love Is」、「The Garden(There Is A Garden, Far Away)」はウェインの力強い歌唱で引っ張るゴスペル・ソウル。

「Look At The People」は軽快に駆け抜けるアップ・ナンバー。トロけるような微睡みのメロウ・ソウル「Dawn Of A New Day」、ピアノが弾むファンキーなゴスペル・ソウル「Things Seem Just Right, Now!」、ラストはピアノ・インストのインタールド「Intermezzo / Bahjia Habiba」から、ジャジーなポップ・ソウルの「"...One Last Thing!"」で穏やかな余韻を残す。