finger lickin good
Finger Lickin Good / Dennis Coffey
 Westbound '75 

女性の股間にチキンをあてがったジャケットに、ケンタッキー・フライド・チキンの有名なキャッチ・コピーから戴いたタイトル『Finger Lickin Good』(指ナメちゃうほどおいしい)。
個人的にはパンツの柄がやや色気に欠けるかなぁとも思うけど、堂々たるエロジャケ、そしてドンピシャなタイトルの本作は、デトロイト出身のギタリスト、デニス・コフィーのリーダー作としては6枚目にあたるアルバム。

60年代末から、モータウンからファンカデリックまでデトロイトの数多のセッションで腕を振るってきたデニス。初期の自身のリーダー作もサイケデリックでアシッドなガレージ・ファンク・ロックといった趣きだったが、75年の本作あたりになるとサイケ臭はほぼ霧消。多くの曲で女性コーラスとストリングスが入り、時代柄ディスコ色もそろそろ見え隠れし始めているものの、デニスのファンキーなギターもたっぷり入っていて非常に楽しめるファンク・アルバムとなっている。

ファンキーに刻むギター・カッティングに華やいだホーン・セクション、ストリングスがキラキラと回るディスコ・ファンク・チューン「If You Can't Dance To This You Got No Business Havin-Feet」からアルバムはスタート。アルバム・タイトル曲「Finger Lickin Good」は太いベース・ラインが循環するグルーヴィーなダンス・ファンク・ナンバー。
ワウ・ギターがモゾモゾと蠢くファンクの「I've Got A Real Good Feeling」、陽気なパーティー・チューンの「Honky Tonk」。「El Tigre」はイカツいドラムスが転がるゴリゴリのファンク・ナンバー。

「Live Wire」はリズミカルに刻みつけるカッティングとグシャグシャのワウ・ギターが弩ファンキー。「Some Like It Hot」は乾いたパーカッションがアフロ・ムードを醸しつつリズム・ギターと並走、ワシャワシャと泡立つワウ・ギターも絡んでくるグルーヴィーなファンク。
デイヴィッド・ボウイ「Fame」のカバーはエフェクト効かせたギターがビラビラと響く。ラストの「Wild Child」はベースもギターもグルーヴィーにウネリまくるファンク・チューン。