your mama your daddy again
Your Mama And Your Daddy Again / Jay Mitchell
 G.B.I. Recording '74

バハマ出身のシンガー、ジェイ・ミッチェル。
70年代にアルバムを3枚、80年代にも数枚リリースをしているようだが、自分聴いたのはCD化されている74年の2ndアルバム『Your Mama And Your Daddy Again』の1枚のみ。
本作は彼の地らしいカリプソやレゲエなどのカリビアンな楽曲がもちろん多いのだが、JBスタイルのファンクや、フェラ・クティを思わせるようなアフロ・ファンク的な要素も混ざり合っていて、このハイブリッド具合が非常に面白い。

本作を代表する楽曲である「Goombay Bump」は、アフロ/ラテンな土着パーカッションに、唸りを上げるベース、ヘヴィーに打ちつけるドラムス、更にはアーシーなオルガンも絡み、かなり壮絶なファンク・チューンになっている。ちなみにGoombayとはバハマの伝統的な打楽器の名前であり、またその打楽器でリズムを強調したバハマのダンス音楽の呼び名なのだそう。

「Who's That In My Bed」は重いグルーヴがドロドロとウネるミッド・ファンクで、コレも好み。ソウルフルなレゲエ・ナンバー「I'm So All Alone」、速いテンポで駆ける陽気なカリプソ「Eight Mile Rock Road」、「When Will It End」はサザン・ソウル的なイナたいバラード・ナンバーで、おそらくバハマではJB以外にもオーティス・レディングなども人気だったのではないかと想像する。

アルバム・タイトル曲の「Your Mama Again」は陽気な」ムードのカリプソ・ナンバー。「Rip Off Brother」はワウ・ギターとオルガンが渦巻く熱いファンキー・チューン。
ファンキーなワウ・ギターが絡むカリプソの「Black Girl」、ラストの「I Love You」はジェイが熱く歌い上げるバラード。

再発CDには更に、ボーナス・トラックとして2曲を追加収録。
ファンキーでダンサブルなカリプソ・ナンバーの「Mike」もイイが、もう1曲の「Funky Fever」がモノ凄い。「Goombay Bump」級の弩ファンク・チューンで、よりJBファンクに肉薄した超タイトなファンク・グルーヴがグリグリとウネりまくる。途中のドラム・ブレイクもイカツい。
この2曲は75年リリースの3rdアルバム『Impartiality』の収録曲。このアルバムは相当なレア盤とのことだが、ジャケットのヤバさも相俟って非常に興味深く、ぜひ再発をお願いしたいところ。