spats
Spats
 Goos Sounds '78 

マイアミで結成された白人5人組バンド、スパッツ。
このバンドについて詳しいことはよく知らないのだが、アルバムはTK傘下のグッド・サウンドから78年にリリースされた本作1枚のみ。
裏ジャケに写るムサ苦しいメンバー写真を見て身構えてしまうが、内容は意外にもメロウで爽快なブルー・アイド・ソウル/AOR。例えば同じマイアミのエボニー&アイボリーのデュオ、チョコレイトクレイあたりと比べてももっとポップで白っぽい印象だが、洗練され過ぎず垢抜けないイナたさや、マイアミらしいジメッとした湿度の高さを感じさせる部分もあり、好感が持てる。
ちなみに、メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンのユニット、タキシードの1stアルバムのジャケットは、本作をモチーフとしていると思われる。

アルバムのオープニング・ナンバー「Hot Summer Madness」は気分をアゲる陽気なホイッスル、気持ちよく掻き鳴らされるギター・カッティングに導かれるグルーヴィー・チューン。「Soul Searchin' Lady」はポップで朗らかな陽性ミディアム・ナンバー。
「(Your Lovin' Is) Everywhere」もまた軽快なギター・カッティングに乗って気持ちよくクルーズする爽快グルーヴィー・ナンバー。「Someday」も海風に吹かれるようなブリージーなAORミディアム。「Playin' Time」はドゥーワップ調のコーラスを従えたオールディーズ・スタイルで、マイアミのビーチでラジオから流れてきそうな曲。

「Up To The Country」はギターやシンセが柔らかくレイヤーされるポップなナンバーながら、脈々とウネるベースがグルーヴィー。「Livin' Is What You Make It」も爽やかなメロウAORナンバー。
「Yours Forever」「Street Love」はポップなメロディが耳馴染みよく、後者のグルーヴィーな演奏はなかなかカッコいい。ラストの「Put Some Souf In Yo' Mouf」はアルバム中最もファンキーな曲で、これも演奏がよくグルーヴたっぷり。