a woman alone
A Woman Alone / Genie Brown
 Dunhill '73 

73年にアルバムとシングルをたった1枚づつ残すのみの女性ソウル・シンガー、ジェニー・ブラウン。
この人についてはほとんど情報がなく、Discogsで調べても他の参加作品もほとんどないのだが、この唯一のアルバム『A Woman Alone』はなかなかの好盤だと思う。

プロデューサーはディー・アーヴィンで、ジェニーはやはりアーヴィンが本作と同じ73年にプロデュースしたボビー・ハットンの『Piece Of The Action』にバック・ヴォーカルの1人として参加している。
バックを固めるのは、全10曲中8曲はハーヴィー・メイソンやジェリー・ピーターズらを中心とした布陣で、残る2曲(各面の最後の曲)にはデイヴィッド・T・ウォーカー、ポール・ハンフリー、ジョー・サンプルらが参加(ウォーカーとハンフリーは前述のボビー・ハットンのアルバムにも参加している)。

アルバムのオープニング・ナンバー「That's How Heartaches Are Made」は円やかかつグルーヴィーなミディアム。ドラマティックなバラードの「
Maybe This Will Be The Morning」、「Can't Stop Talking」はホーンが分厚く盛り上げるグルーヴィー・ソウル。
愁いを帯びた切ないスロウ「
My First Night Alone Without You」、唯一のシングル曲でもある「Let Me Stand In Your Shadow」はモダンな雰囲気のミディアム。

Take Me Where You Took Me Last Night」はリズム・ボックスっぽい音も聴こえるファンキー・ミドル。グラディス・ナイト「It's Gotta Be That Way」のカバー、「Wrapped In Love」は華やいだムードのメロウ・ソウル。
グルーヴィーなミドルの「
You And Me」、ラストの「Life Is Beautiful When Love Is Everywhere」は心弾むミディアム。